2010年10月29日の日経新聞に、2010年税制改正で検討されている法人税率の引き下げを巡り、政府税制調査会が検討している代替財源案のたたき台が判明したと報道されています。
それによると、
『企業が欠損金を翌期以降に繰り越して課税所得と相殺できる制度について、課税所得の「半分まで」に利用を制限するのが柱』
とのことです。
所得の半分といわれてしまうと控除できる額が減ることになりますよね。
つまり、繰越欠損金に対して繰延税金資産を計上している会社は、スケジューリングの見直しにより、税効果を取り崩す必要が出てきてしまいます。
それだけではありません。
税率が下がるのですから、繰延税金資産を計上している会社はもれなく、繰延税金資産を取り崩す必要が出てきます。
5%で検討されているようですから、試算してみましょう。東京都(23区のみ)、外形標準適用の場合、実効税率はもともと40.69%ですが、5%下がると、、、、
35.08%
(0.25+0.25*0.207+0.0326+0.029*1.48)/(1+0.0326+0.029*1.48)
になりませんか?皆さんも計算してみてくださいね
ということは、繰延税金資産の(40.69-35.08)/40.69=13.8%は必ず取り崩しが必要ですね。
一方で今後、税金は減るわけですが、これは利益の出ている会社の話。
つまり、
法人税等を払っている会社
法人税等↓
繰延税金資産↓
均等割しか払っていないけれども繰延税金資産を計上している会社
法人税等↑(単年度損益+の場合)
又は
法人税等→(単年度損益-の場合)
繰延税金資産↓
ということですね。
法人税等を払っている会社は、キャッシュ・フローは+になりますが、損益的には、一時的にマイナスに影響することも考えられます。
均等割しか払っていないけれども繰延税金資産を計上している会社にとってみれば、キャッシュ・フローで損をする可能性もありますし、損益的には、一時的にマイナスになることは確実ということになるのではないでしょうか。
要注意ですね。
『欠損金の繰越控除制度を巡っては、課税所得と相殺できる範囲を「半額」までに制限することには反発が強いものの、最長7年間の繰越期間の大幅延長や、相殺範囲の拡大などによっては理解を得られる可能性もある』
としています。
しかし、
税率を下げて、
繰越欠損金の利用を制限する、
ということは、
利益を出している会社は、キャッシュ・フローが改善するのでいいのですが、利益を出していなかったけれども、復活しつつある会社のキャッシュ・フローを改悪することになりませんか。
繰越期間を延長するとのことですが、それで全額回収できたとしても、復活しつつある会社の回復を遅らせる効果をもたらすのではないでしょうか。
これでいいのでしょうか?
そもそも課税所得が出ている会社は少なくなっています。2009年度の赤字申告法人は過去最高の74%を占めています。
これらの会社は繰越欠損金があるはずで、これらの会社が復活して利益を出したら、欠損金の範囲内だったはずの分につき、課税されてしまいます。
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